この第七回のエピソードでは、メインキャラクターの葛城という人物の内面がより深く描かれていた印象を受けました。
葛城の、復讐の念を抱えながらも、同時に善悪の狭間で葛藤する姿が描かれていて、彼の複雑な心情や苦悩に触れることで、アンチヒーローとしての彼の過去や行動に対する理解が深まる感じがしました。
今回は、アンチヒーロー7話のネタバレ感想、考察についてお話ししますので、参考にしてみてください。
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アンチヒーロー7話ネタバレ感想
完璧な伏線回収
一番は、伊達原(野村萬斎)の暴れ具合が凄かったですね。野村萬斎は嫌な役をやらせたら、ここまで演じるんだとびっくりしました。
事務所内での明墨(長谷川博己)とのやり取りは緊張感があり、たまりませんでした。 また、内容としても、第一話と第二話で展開された町工場社長事件の容疑にかかっていた緋山(岩田剛典)を明墨がなぜ無罪にしたのかも判明し きちんと伏線が回収されています。
また、明墨の行動の指針である12年前に起きた「糸井一家殺人事件」の真相が明らかとなり、1話からの全ての物語がつながる展開となり、 いよいよ最終章に入った感じがします。 残り二話でどのようになっていくのか、またどう着地させていくのかが楽しみで目が離せません。
善悪の狭間で
7話では新たな敵や同盟者が登場し、物語が益々複雑化していく展開も見どころの一つでした。ストーリーテリングやキャラクターの掘り下げなどにおいて、このドラマの魅力が存分に発揮されていると感じ、展開の広げ方を重点的に次回の放送も楽しみです。
引き続き、アンチヒーローの世界観にどっぷり浸っていきたいと思います。
瀬古裁判官との対決にハラハラ
政治家から賄賂をもらい、自分の地位を不動のものにしようとした瀬古裁判官の悪事が次々にばらされていくところが爽快感がありました。瀬古の出世欲を利用していくところは悪意を感じますが、それに乗ってしまった瀬古もまた愚かだと思いました。
瀬古の悪事は暴かれたものの、まだ事件は終わっておらず、明墨の追及はまだまだ続きそうです。一方で瀬古裁判官により有罪判定をもらってしまった松永さんが無罪になったのは本当に良かったです。
松永役の細田さんの喜びに震える表情がすごくよかったです。明墨が冤罪となっている志水に対して娘の沙耶さんのことを訴えるシーンは明墨の強い意志を感じました。今後志水無罪になるよう、明墨がどう動いていくのか楽しみです。
大きな組織を相手に個人で戦っている
沢原が無実になった事で物凄くスカッとしたので、見終えた時の爽快感は全話見てきた中でも1番でしたし沢原の安堵した笑顔を見ているとこちらまでホッとして体の力が抜けたような気になりました。
一方では瀬古の行ってきた事に関しては非常に腹立たしくも思ってきたので、失脚したことについてこちらも大変すっきりした思いです。見始めた頃は秋墨に関して今一つ信用のならない弁護士というイメージがかなり強かったのですが、ここに来て大きな組織を相手に個人で戦っている姿を見ているとぜひとも悪を駆逐して志水の無罪を勝ち取って欲しいと切に願うようになりました。
志水にも可愛い娘の為にも自身の為にもどうか諦めずに秋墨の事を信じて頑張って欲しいの思いです。
アンチーヒーローの功罪
最後のシーンで赤嶺が緋山の殺人の証拠である血のついた作業服を持って緋山に会いに行き、本当に彼が殺人を犯したのだろうということを確信させられる回でした。
それまでのところで判事である瀬古を追い詰め弾劾裁判に持ち込むという快進撃もあったが、やはりやる事がアンチヒーローというその名の通り、有罪である人間でさえ無実にして徹底的に自分の目的を達そうとしている明墨先生の狡猾さ・手段の選ばなさが目に見えてカッコよく写りました。
赤嶺が徐々にその明墨先生のやり方や狡賢さに理解を示し、正義感と強引さを持ち合わせた敏腕弁護士に近づいているのも見どころです。最初は突き放されていた紫ノ宮との距離もだんだん近くなっており、恋愛関係に至るまでではなくともお互いそれぞれ答えを協力して追い求める姿が魅力的でした。
瀬古に下した明墨の正義の鉄槌
最高裁判事を目指す為に政治家や伊達原を利用したダーテイーな瀬古の野望がつぶれて溜飲が下がりました。
明墨が瀬古を弾劾裁判にかけると言っていましたが、瀬古が政治家の加崎の為に、加崎のライバル富田を罠にはめたところまでは瀬古の陰謀は成功したかに思えました。 しかし、明墨は富田が自分の罪を全部、小杉にかぶせるつもりだと悟らせて、瀬古にわいろを渡したと証言を引き出せたので、成功だと思いました。
ところが、小杉が加崎の秘書に雇われて、わいろを渡したという証言を拒否したのは驚きでした。 さらには、富田の口を封じる為に、瀬古が伊達原と手を組んで富田を追起訴させようとしたのも、しぶとかったですが、明墨が、先回りして、富田に瀬古に2千万の賄賂を渡して最高裁判事にする約束だったと暴露したのは痛快でした。
瀬古の無能な男に見下された悔しさを晴らしたかった故の歪んだ出世欲が見苦しかったです。 一方、明墨が、志水に娘の紗耶の写真を見せても、志水は死刑囚の父に会いたいはずがないと言い、明墨は、紗耶が殺人犯の娘として生きなければいけない、志水だけが沙耶を守れると説得する場面は、泣ける場面です。
今までの疑問の回収がお見事
このドラマの最初の裁判である緋山さんの事件では、明らかに明墨が緋山さんが犯罪を犯していると知っていながら無罪にしたのに、その後の事件の裁判では、きちんと検察の悪事を暴き冤罪を防いでいたので、この矛盾はなんだろう?とずっと考えていました。
そこに来て今回、緋山さんをなぜ無罪にしたのかが判明して、過去の裁判は全て、糸井一家殺人事件の真相に辿り着くために、明墨が用意した伏線だったんだって分かり感動してしまいましたね。
瀬古判事の悪事を暴き、真相に迫りつつ世論も味方につけてるんだと思うし、徐々に外堀を埋めていって、志水さんを救い出そうってことかな。ただ緋山さんの犯罪の証拠を見つけた赤峰が、今後明墨の味方になるか、敵になるかが気になります。