嘘解きレトリックの1話、2話を通じて鹿乃子には、予知能力や真実を見抜く魔力があるのかと思いましたが、今回で鹿の子には、発言する人の意識がわかると判明してすっきりしました。
祝が明日の天気を断定しても、それが本当かどうか、予測できないという祝は意地悪ですが、逆にばくちで大儲けができないというのは、笑える、たとえです。
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嘘解きレトリックネタバレ感想
あの晩の月もきれいでしたね
第3話の展開で良かったのは、助手・浦部鹿乃子が単独で事件を解決しようと奮闘するところでした。これまで探偵と助手が協力するのが面白かったのですが、今回は探偵・祝左右馬があいまいな言動をくり返すため、なかなか事態が動きません。
思いきって自分を出せなくなっていた鹿乃子が、新しい環境にも慣れて動き出す感じがいい展開だと思いました。 また、今回の事件で出番が増えたのが、左右馬の友人・端崎馨です。ふだんは街の治安を守る刑事で、仕事中のスーツ姿も決まっている馨ですが、今回はうって変わって意外な面を見せてくれました。
事件の裏側にある事情が最後の最後まで見えづらく、はらはらさせられてしまう回でした。でも、鹿乃子の視点から事件を追いかけていくのは、とても楽しかったです。事件の真相が明かされた後、雲ひとつない夜空に浮かぶ満月はとても美しく、後味は少し苦いですが、とても良い話だったと思います。
左右馬の意外な一面
まず、私はこのドラマを見て、主人公の左右馬について、だいぶ勘違いしていました。それは左右馬は親友の端崎が仲居の松葉ボタンの君と恋がうまくいくことを先に越されたくないから、もう1人の主人公の鹿乃子に嘘をついていたのだと思っていました。
でも、それは全然違って、端崎のことを大事な親友だから泥棒である松葉ボタンの君に会わせたくなかったからで、普段人生を軽く生きていそうな左右馬がそんなに親友を大事にするとは思いませんでした。
また、左右馬は鹿乃子に対してもどうして嘘をついたのかというと、左右馬が松葉ボタンの君が泥棒であることを知っていたのは一つの理由ですが、鹿乃子に嘘をついて、鹿乃子がどうして左右馬が嘘をついているのか、振り回したくなってしまった恋心ではないのかなと私は思いました。
高まる信頼感と安心感
嘘を聞き分ける能力を気味悪がられていたこれまでとは違い、その能力を有効に使おうとする左右馬の姿に安らぎを感じている鹿乃子の姿は胸が熱くなりました。少しズル賢いと思う反面、誰も傷つけない能力の使い方により左右馬の人間の温かさを感じさせると共に普段から能力を使いこなせる訓練とも思えるとも感じさせる左右馬の頭の良さを感じさせます。
今回、端崎の想い人を探す展開となっていましたが、嘘をついてまで想い人を探すことに対して協力的ではない姿を不思議に思いながらも左右馬なりの考えがあるのだろうと何も聞かない鹿乃子に左右馬への信頼感が強いことと二人の関係性を崩したくないという不安感が垣間見えました。
探し当てた想い人が盗人である真実を隠そうとしたために嘘をついていたという真実により左右馬への信頼が高まっているのを感じられ、そんな左右馬に認められ町に馴染めていることに幸せを噛みしめる鹿乃子に胸が熱くなりました。今後、自身でも気づけなかった能力を理解し、左右馬との信頼関係がより強くなっていくことに期待が高まりました。
解けた鹿乃子の嘘を見抜く謎
隠れた真実が鹿の子にはわかるのではなく、その人がウソだと思っていないことは、鹿の子には嘘には聞こえないというのが、なるほどと納得できます。 今回は、あきらかに祝が友達の端崎に嘘をついたのが分かって、なぜ、祝がウソをついてのか悩む、鹿の子が気の毒でした。 逆に、祝は鹿の子に自分の嘘を見抜かれているのを知っていながら、鹿の子を利用したのも、祝の、いたずら心だったようです。
それでも鹿の子に介抱を装った泥棒の松葉牡丹の姿を見せることで、嘘が聞こえるからと言って端崎を思う祝の心までは読めないなと教えたかったと解釈します。 それでも祝が、鹿乃子に、嘘を聞こえる力が便利だけじゃない、共に悩もうと共感を示してくれて、これだけ自分と向き合ってくれる人は初めてだと鹿が泣くラストは、ほのぼのとした場面でした。
松葉牡丹の着物を着た仲居の正体
祝左右馬は、家のガラクタを古道具屋で売ってやっとお金が入りました。しかし、古道具屋の主人が財布を盗まれたと聞くと、その主人の分も食べ物を買い与えたりして、なんて心が優しい人柄なのだと思いました。刑事の端崎馨は、自分がスリの被害に合いそうになったにもかかわらず、その相手に介抱してもらったと勘違いして、全くの見当違いでした。
左右馬は、初めから松葉牡丹の絵柄の着物を着た仲居が怪しいとふんでいたのでしょう。なかなか鋭い観察眼と推理能力を持ち合わせているようです。鹿乃子一人の力ではどうにもならないけれども、左右馬の探偵力が加わることで、一件落着となりました。左右馬と鹿乃子のコンビが次第に心を通わせていくのが、微笑ましく感じます。
嘘解きレトリック3話ネタバレ考察
人形屋敷で待ち受ける試練とは
第4話で最も気になる部分は、祝左右馬と浦部鹿乃子が事務所がある九十九夜町を離れ、別の地域に向かうというところです。九十九夜町には定食屋の倉田一家も含めて、大勢の知人がいます。
いつもなら困っていれば誰かが助けてくれる環境から離れるというのが、少し心配になるところです。 また、次の舞台になるのが奇妙な噂がささやかれる旧家、というのも気になります。古い風習が残る古い家柄と言えば、横溝正史の作品が連想されます。物語の時代として設定されている昭和初期と言えば、ちょうど横溝正史が出版社で働き始めたころでもあります。
慣れない環境、頼れない場所、圧倒的に不利な条件下で、左右馬と鹿乃子がどれだけ頑張りを見せてくれるのか、二人が今までに紡いできた絆の強さが試される事件だと思います。不思議な旧家の謎にはどんな事情があるのか、いろいろと予測しながら楽しめる話だと思います。
イネが亡くなった真相
綾尾家の女中のイネが岩場に落ちて、死んだ理由は海難事故の両親のうち、母親が人形となって、現れたのだと思います。母親は品子にそっくりだったのではないかと思われます。その母親と父親も母親の母の人形が船の上で現れたので、びっくりして、海から落ちたと思われます。
その母親の母も品子にそっくりだったのではないかと推測されます。イネが最初に見た死体と見間違えた人形は実は品子が置いた物で、品子と品子の祖母は人形を事前に置いておいて、死なせる人をびっくりさせて、恐ろしくなったところで、海に落ちるという事件が起こったと予測できます。
品子の祖母も人形を船の上に置き、それを見た品子の両親が恐ろしくなって、海に落ちたのではないかと思います。綾尾家の事件を推理するために来た鹿乃子は品子が「わたしはやっていない。」と言ったことを嘘だと見抜きました。
優しい幸せの積み重ね
相変わらず金欠生活を続けるも、楽しみながら生活を続けている二人の姿が見られました。汽車に乗ってはしゃぐ鹿乃子と「朝だけど夜逃げ」と冗談めいた発言をする左右馬に生活の危機感を感じさせず、その雰囲気が悪い行いを埋もれさせない展開になるのだと感じます。
報酬という言葉につられて関わることとなった事件も鹿乃子の能力と共に能力に負けないほどの洞察力を発揮して華麗に解決してしまうと感じます。そしてそこで貰った報酬によって再び事務所へ戻ってくる二人が想像できました。
決して裕福ではないながらも信頼し合える関係性、そして安らぎを感じられる場所での幸せを噛みしめる鹿乃子が想像でき、回を追うごとに左右馬への思いが強くなると感じます。夜逃げすることなく二人笑顔で事務所にいる結末になると感じました。
品子の身代わりになったイネ
端崎の姉の雅が置き引きを祝とともにつかまえます。雅は怪談雑誌記者で取材した人形屋敷で両親が事故で無くなって、一人娘の品子がいました。女中のイネが人形部屋で遺体を発見したとさわぎになりますが、実は人形でした。
するとイネが岩場から落下します。祝が調べると綾尾家の言い伝えで、娘の成長に合わせて人形を作ると娘が幸せになるという言い伝えがありましたが両親が亡くなって人形が作れなくなり、不幸になると品子が死鹿の子に言います。すると、両親が最後に作った人形が、開かずの間に置かれていたのを知らなかったイネが発見して、品子が亡くなったと勘違いして柴田の家に駆けこんだようです。
イネは品子の親が人形を作れなくなったので、品子が亡くなってしまうと思って、自分が品子の身代わりになってがけから身を投じたと祝が謎を解くと予想します。でも、品子は一命を取り留めて、品子は、イネに感謝すると予想します。祝は綾尾家の呪縛はうそだと暴くと予想します。
人形屋敷綾尾家の秘密
左右馬と鹿乃子は、汽車に乗ってどこかへお出かけのようです。しかし、相変わらず探偵業だけでは生活が厳しいようで、家賃が払えないため、とりあえず汽車に乗って取り立てから逃げる魂胆のようです。そこで、端崎馨の姉の雅と出会います。左右馬と鹿乃子の二人は、雅と怪談雑誌の取材旅行に同行することになりました。
取材先には、まるで人形そっくりの出で立ちの娘がいました。村には妙な噂も広まっていて、鹿乃子は恐ろしくてたまりません。そんなある日、女中のイネに事件が降りかかります。怪しいのは、人形そっくりの出で立ちをした娘の綾尾品子です。左右馬は、鹿乃子のハンドサインを使って、品子の嘘を見破ります。そして、人形屋敷綾尾家の秘密を暴きます。